学校法人・金融法人の担当者必見!機関投資家ゼロからの資産運用 【債券編・第4回】金利と信用、2つのリスク分散〜多種多様な投資だから実現可能
新企画「機関投資家ゼロからの資産運用」も第4回となりました。今回からは債券投資の本質的な意義に迫っていきます。前回の第3回では、国内の機関投資家の運用資産の中で、米国の国債が大きな比重を占め続けていることをご説明しました。米国債と比べると比重は低いものの、それ以外の海外の債券、しかも多種多様な種別への投資も盛んです。ラッセル・インベストメントの金武伸治さんに、その理由などを解説していただきます。
国債と社債、その本質的な違いとは
前回までの説明で、年金資産の運用には分散投資が欠かせないことが分かりました。また、一口に債券といっても多種多様な種別があり、どのように資産を配分していくかが大事になってくる、ということでしたね。
金武 グローバル債券市場には、非常に様々な債券種別があります。その中で、発行額や流通額が最も大きいのが国債です。国債は国が発行するので信用力が高く、株価下落局面では株から資金が流入することが多いので、国債価格の上昇による分散効果が期待できます。
企業が資金調達のために発行する債券が社債です。社債は一定の信用リスク、つまり企業が倒産することなどで、利息や元本を支払えなくなる債務不履行リスクがあります。しかし、その分だけ国債と比べると利回りが高いため、収益向上効果があります。債券は全般として、主に利回り収益(インカムと言います)を狙います。もっぱら価格収益を狙う株式と、ここが大きく異なる点です。
どのような債券種別が存在するのか具体例を挙げてみましょう。一般的なインデックスでいいますと、最もポピュラーなFTSE(フッツィー)世界国債インデックスは主に先進国の国債で構成されています。ブルームバーグ・グローバル総合債券インデックスは国債に加えて、他の代表的種別である政府関連債、投資適格社債や、後でご説明する証券化商品が入っています。具体的な債券種別構成は【図表1】の通りです。
これらの他にも、物価連動債(インフレ連動債)、ハイイールド債、エマージング国債、エマージング社債などといったものがあります。
2つのリスク:国債は「金利」、社債は「信用」
国債と社債のおおまかな違いは分かりました。その上で、投資対象としてどういう点に留意すべきなのか。具体的に掘り下げていただけますか。
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