近年、ESG(環境・社会・企業統治)を考慮した投資が急速に発展、普及してきましたが、足元では2021年に開催されたCOP26(第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議)での議論などを受け、資産運用の世界でもパリ協定の目標を意識した取り組みが進んでいます。本連載ではESG投資の中で現在、最も注目を集めている分野の一つである脱炭素投資を巡る様々な議論を紹介、解説していきます。第4回は、EU(欧州連合)気候ベンチマークの一つであるパリ協定適合ベンチマーク(PAB)について具体的な指数を紹介しながら解説したいと思います。
株式と債券PABの具体例
前回、説明したようにPABは、EUの気候ベンチマーク規制で定義された2つの気候ベンチマークのうち、より野心的な脱炭素要件(投資ユニバースに対して50%以上)が課されたベンチマークです(図表1)。
既に多くのインデックスベンダーがPABの提供を開始していますが、ここでは株式と社債指数で代表的なMSCIとBloomberg社のPABを紹介します。
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