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為替 2022年に生じた不均衡が長期的に調整される動きが明確化
1ドル=130円台を割り込む調整も
2022年10月に152円に迫ったドル円は同年12月初めには135円を割り込む急落となった。この間、FRB(米連邦準備理事会)の金融引き締めペースが緩むとの期待が市場では台頭。米金利が低下し、2022年のドル高円安を牽引してきた米日金利差が縮小に転じたことがドル円反落を促している。
市場でこの間に高まったインフレやFRBなど各国中央銀行の金融政策に対する楽観論は行き過ぎと思え、数カ月単位では金融引き締めに対する警戒感が再燃。米金利が改めて上昇に転じる中で、米株などリスク資産も再び調整色を強め、為替市場では米ドルが反発するリスクが高いとみている。
ドル円が140~145円程度への戻りとなっても驚かないが、2023年のどこかで円高方向へもう一段階下駄が外れ130円台を割り込む調整も発生しうるとにらんでいる。
ヘッジ取引がドル高を支えた?
2021年初に102円台だったドル円は2022年10月には150円を超える上昇となったが、根底にあったのは、対ユーロなどでの米ドル高だった。米金利上昇に伴う金利差拡大がドル円上昇に拍車をかけた格好となったが、実は欧州通貨や資源国通貨は金利差との相関を失っており、為替相場全体では金利差で説明しがたいドル高が進んできた。
この間、筆者が勤務するシティグループのフロー・インデックスを見ると、目立ったのがリアルマネーと呼ばれる欧米の長期投資家の米ドル買いだった(図表)。その規模感はヘッジファンドなど短期投資家を凌駕するものだった。
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