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知りたい! 隣の企業年金・第8回 ベネッセグループ企業年金基金――15年かけ投資拡張、オルタナティブ40本〜リーマン経験し、年金ガバナンスに注力
各地の企業年金を訪問して、年金資産運用の現状や考え方などをうかがう「知りたい!隣の企業年金」。朝日新聞企業年金基金の常務理事だった私、阿部圭介がインタビューする企画の第8回は、ベネッセグループ企業年金基金の小川詞子(おがわ・のりこ)常務理事・運用執行理事を訪ねました。
在籍17年半、すみずみまで把握
岡山市北区南方。JR岡山駅から徒歩20分程度にあるベネッセ本社。応接室に通され、小川さんと差し向かいでお話を伺う。
「2008年のリーマン・ショック直後の運用成績はどんな感じだったのですか」
「当然マイナスです。でも、8パーセント台。何とか1桁で収まってくれていました」
手元のノートパソコンをぱっと開く小川さん。15年前の数字が直ちに出てくる。
現在のポートフォリオに至っては、ビジュアルにグラフ化されたデータで、収益率やプライベート資産のキャピタルコールの時期・金額なども瞬時にパソコンの画面に表示し、説明してくれた。
ベネッセグループ企業年金基金に、経理担当として2005年1月に着任した。2007年1月に運用執行理事に就任して以来15年半。2020年11月には常務理事に昇任して、この間一手に運用を担ってきた。同基金をすみずみまで把握している様子が、ひしひしと伝わってくる。
ベネッセグループ企業年金基金の概要
- 所在地/岡山市北区南方
- 設立(代行返上)年月/
1987年11月 福武書店厚生年金基金
1995年4月 ベネッセグループ厚生年金基金
2004年4月 代行返上 - 加入者数/5154人
- 受給者数/186人
- 資産総額/257億円
- 予定利率/2%
- 期待運用収益率/2.5%
(いずれも2022年3月末時点)
直近3年間もプラス
概要を見ると、加入者数の割に受給者数が極端に少ない。給付サイドに余裕があり、予定利率も低めですね。
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