CBRE マーケット転換期に入った不動産クロスボーダー投資
オルタナティブ投資の主要アセットクラスとして地位を確立しつつある不動産。これまでは日本の機関投資家が海外不動産に投資を行う場合、小口で多数のファンドに投資を行うアプローチが主流であったが、最近はその傾向に変化が見られる。世界最大の事業用不動産サービス会社CBREグループの日本法人であるシービーアールイー(CBRE) シニアディレクターの平林昇氏に、不動産クロスボーダー取引の足元の動きについて話を伺った。
ローカリゼーションが進む
インターネットの普及や取引システムの発展、資本取引の自由化などボーダーレス化のうねりとともに、不動産投資の世界でも、日本の投資家が海外の不動産に投資する、あるいは海外の投資家が日本の不動産に投資するクロスボーダー取引が年々増加している(図表)。
これまで日本の機関投資家は、海外不動産への投資は多数のファンドに小口で投資を行う手法が主流であったが、CBRE キャピタルアドバイザーズ シニアディレクターの平林昇氏は国内投資家の投資アプローチの変化を次のように説明する。
「この10年ほど、日本の機関投資家もリスク分散先の開拓や新たなリターンの源泉を追求する必要性から、オルタナティブ投資の一環として海外不動産投資への積極性を増してきた。その中で経験値が上がってきたことから、現在では多数ファンドへの分散投資のみならず、特定のアセットクラスや個別物件を選別するようになるなど、投資手法を高度化している。また、不動産会社やデベロッパーもこれまで遠隔で投資してきたところから、実際に現地に拠点を設けるなど、ローカリゼーション(現地化)が進んでいると言えるだろう」(平林氏)
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