第3回統合報告セミナー ステークホルダーから評価される統合報告とは
ケーススタディ 統合報告書の制作事例紹介
ナブテスコ - アクティブ投資家向けのIRツール
取締役対談など経営陣の「生の言葉」を多数掲載
「ナブテスコって、ナンデスコ?」のCMキャッチコピーの当社は、2003年にメーカー2社が統合して生まれた企業で、現在は、精密減速機や鉄道車両用機器などニッチ市場での高シェア事業群を展開している。統合報告書は2017年12月期版で5冊目だ。
最新版では、価値創造ストーリーの説得力向上のため、当社の価値創造プロセスに関する全体像に加えてその解説を紹介。取締役対談など経営陣の「生の言葉」も多数掲載した。投資家の関心が高い各事業のビジネスモデルや、今後の見通しを解説するコンテンツにもページを割いている。
当社では、統合報告書は非株主をはじめとしたアクティブ投資家向けのIRツールと位置付けている。短い時間での投資判断に役立つように、ESGの詳細情報などはウェブサイトに移行した。今後も、海外を含む幅広い投資家と長期的な信頼関係を築く内容を心がけたい。
大日本印刷 - 本業を通じて社会貢献する姿勢を明示
事業のリスク変動要因とプラスに向けるアプローチ
当社は今年(2018年)初めて統合報告書を作成した。ポイントは、SDGsのウェディングケーキモデルを応用して、会社や事業を取り巻く経済・社会・環境のリスク変動要因を整理したことだ。リスクを単なる危機ではなく変動要因と捉え、プラスに向けるアプローチをまとめた。
例えば当社の売上構成では、紙の印刷よりも、リチウムイオンのバッテリーパックやディスプレイ用の表面フィルムなどが伸びている。事業紹介ページでは、個々の製品紹介にとどまらず、社会課題の解決策として自社の技術が役立つというメッセージを前面に出した。
ESGに関しては、すでに2004年のアニュアルレポートから専門パートを設けて取り組みを紹介してきた。今回の統合報告書では、各種の社会課題と連動させて表現。CSRマネジメントの重点テーマに則り、本業を通じて社会貢献を推進していく姿勢を明示した。