Codo Advisory 日本初導入のACT手法で見極める、企業の脱炭素化に向けた「移行戦略」の実効性
世界的に脱炭素化社会の実現が急務となる中、フランス環境エネルギー管理庁ADEME(アデム)と国際的非営利団体CDPが共同開発したのが、企業の脱炭素化に向けた移行戦略の策定・評価の国際的イニシアチブ(推進計画)である「ACT(アクト)」だ。日本では、オルタナティブ運用を手掛ける運用会社MCPジャパン・ホールディングスと環境コンサルティング会社のアミタホールディングスが共同設立したCodo Advisoryが初導入し、同イニシアチブに基づく企業の移行戦略コンサルティング・評価サービスを提供している。同社の代表取締役社長・CEOの鈴木香織氏に、ACTの特徴やESG(環境・社会・企業統治)を重視する投資家にとっての可能性などを聞いた。
脱炭素化への道程を包括的に評価する国際基準
気候変動が我々の社会経済に深刻な影響をもたらす事実が明らかになるにつれて、企業の環境問題、特に脱炭素化への取り組みが加速している。
既に多くの企業が、パリ協定に基づき温室効果ガス(GHG)排出の削減目標を定める「SBT(科学的根拠に基づく目標)」や、気候変動がビジネスにおよぼす影響を可視化する「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」「CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)」などの国際イニシアチブに参加し、対応を急いでいる。
ただし、脱炭素化に対する実効性がより重要視される現在、企業は脱炭素化に向けた目標を公表したり現在の取り組み状況を開示したりするだけでなく、現状とゴールまでのギャップをいかに埋めていくか、具体的な計画を示すことが求められるようになっている。
そこで注目が集まっているのが、「移行戦略」を適切に策定・評価するためのフレームワークだ。
Codo Advisory 代表取締役社長・CEOの鈴木香織氏によれば、特にその重要性を早期に提唱したフランス環境エネルギー管理庁ADEMEと国際的非営利団体CDPが共同で開発した国際イニシアチブ「ACT(=Assessing Low Carbon Transition、アクト)」は、移行戦略に関する評価基準が散見される中でもいちばん評価要素の包括性に長けると説明する。
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