プロフェッショナルに聞く! 不動産投資の潮流【第1回・CBRE】 2つの経済イベントで“堅調さ”の今後を見定める
年金基金をはじめとした機関投資家のオルタナティブ運用において、安定したリターンの源泉として注目度を増す不動産投資は、新型コロナウイルス禍で下落した株式などの代替資産として、安定運用に欠かせない存在になりつつある。不動産投資の現状や展望、可能性について有識者に聞く連載「プロフェッショナルに聞く!不動産投資の潮流」。第1回では、世界最大の事業用不動産サービス会社CBRE(シービーアールイー)日本法人 マネージングディレクター リサーチヘッドの大久保寛氏に、不動産投資の潮流について話を伺った。
足元の不確実性下でも安定感を発揮
株式や債券の代替資産として、機関投資家の注目を集め続ける不動産。リーマン・ショックが発生した2008年から2012年は新規投資額の低迷が続いたが、以降は安定して3兆円~4兆円の間で投資額が推移している。
足元では新型コロナウイルスの感染拡大やロシアのウクライナ侵攻などが重なり、資産運用環境は大きく揺さぶられているものの、不動産投資の安定感は健在のようだ。CBRE リサーチ リサーチヘッド マネージングディレクターの大久保寛氏は、2020年からの不動産市場を次のように振り返る。
「2020年の不動産投資は、グローバルで見ると事業用不動産への投資額は前年比で減少したが、日本では約11%増加した。2021年は前年比5%ほど減少したが、コロナ前の2018年、2019年のいずれの投資額も引き続き上回っている。依然として日本の事業用不動産に対する投資家の意欲は高いと言える」(図表)
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