世界的なインフレ・金利上昇・地政学リスクの高まりのなか、欧米以外の5つの注目国の経済はどのような可能性と課題を抱えているのか。JBIC(国際協力銀行)の現地駐在員に聞いた(記事内容は2022年6月2日現在)。
習体制の目指す中国は。
2022年秋に開催予定の第20回共産党大会では、習近平国家主席の3期目続投が有力視されている。続投の場合は、現在の第14次5カ年計画(2021年~25年)の方向性が継続される。同計画は「量から質への経済発展の転換」を主軸としており、特に「気候変動対策」や「ABCD-5G※1を軸としたデジタル経済の発展」に注力していく内容だ。
注目の産業・セクターは。
中国は2020年10月発表の「省エネルギー・新エネルギー車技術ロードマップ2.0」において、2035年に新車販売車から従来型のガソリン車を除外し、NEV※2(新エネルギー自動車)、ハイブリッド車をそれぞれ50%ずつに転換しようとしている。2021年の世界NEV市場における中国市場のシェアは5割を超えたと言われている。また、世界のNEVのメーカー別新車販売台数でも中国メーカーのシェアが3割に迫る勢いだ(図表)。
【図表】世界のNEVのメーカー別新車販売台数シェア(2021年)
不動産バブルの見方について。
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