インベスコ・アセット・マネジメントの主催により都内で開催された「新春インベスコ日本株式運用セミナー2018」では、国内株式市場の見通しについて証券会社のストラテジストが語り合ったほか、インベスコの運用担当者が日本株運用戦略を紹介した。(取材日:2018年1月18日)

新春インベスコ日本株式運用セミナー2018

パネルディスカッションでは、国内株式市場の見通しについて議論が行われた。JPモルガン証券のチーフ株式ストラテジスト、阪上亮太氏は「世界景気は持続し、急変する可能性は低い」という見解を示した。ここ5年で株価がEPS(1株当たり利益)に連動する「正常な市場」になったことを指摘し、堅調な企業業績からTOPIXは2100ポイント、日経平均株価は2万6000円を視野に入れる。

モルガン・スタンレーMUFG証券シニアアドバイザーのロバート・アラン・フェルドマン氏は、日本企業の活発な設備投資が2018年も続くと見るが、株価が2017年並みに上昇するためにはドル/円が120円台の円安が必要と指摘。同社は円高を予想しており、株価は6%程度の上昇にとどまると言う。

みずほ証券エクイティ調査部長の北野一氏は、日経平均株価は年央に2万5000円と予測する。AIや省人化が2017年前半から続く息の長いテーマとして日本企業の成長をけん引するが、年後半にかけては2019年以降をにらみ、株価は一服すると見ている。

ボラティリティが小さい、いわゆるゴルディロックス相場に対する反動が懸念されているが、パネリストは「リセッションの可能性は低い」という見解で一致した。

後半はインベスコのスチュワードシップ活動と日本株式のバリューディスカバリー運用、インカムグロース運用、アドバンテージ運用を紹介。いずれの運用戦略も2017年末までの3年間で、TOPIXに対して超過収益を獲得したことを示した。最後に国内株式市場の今後のポイントとして、長期投資と無形資産投資への注目度の向上を挙げた。