インベスコ・アセット・マネジメントは、金融機関を対象とする「債券運用セミナー」を東京都内で開催した。世界の債券市場の動向とインベスコの債券投資戦略について、アナリストや運用担当者が語った。(取材日:2018年5月21日)

セミナー
債券ESG投資は、国債に代わる自己資金の運用手段として地域金融機関の関心が高まっている

基調講演では、BNPパリバ証券の投資調査本部長の中空麻奈氏が世界のクレジット市場の見通しを語った。グローバルでは2018年も堅調な成長が見込まれるものの、同社が算出する「クレジットバブルインデックス」によると、2018年5月時点では日本の投資適格債と米国のハイイールド債、欧州のクレジット全般がバブル的状況にあり、相対的に投資妙味があるのは米国の投資適格債とのことだ。

年後半のクレジット市場は、日本や欧州で国債の買い入れが減少し、スプレッドは緩やかに拡大するというのが同社のメインシナリオだ。バブルの転換点となりうるイベントとして、米国では11月の中間選挙などの政治情勢、欧州はECB(欧州中央銀行)の資産購入プログラムの動向やBrexitの進捗、イタリアなどの政情不安を挙げる。

インベスコ・フィックスト・インカム(IFI)のチーフ・ストラテジストのロブ・ワルドナー氏は、IFIが予測する米国の実質GDP(国内総生産)成長率が市場のコンセンサスと同様に堅調に推移するという見解を述べたうえで、インフレ率は市場が想定するほど上昇しない可能性が高いと指摘した。市場のボラティリティを高めうる要因として、貿易摩擦の影響と中央銀行の政策を挙げた。

現時点で投資妙味があるとIFIが判断する資産は、欧州の投資適格債、欧米のバンクローンと米国の地方債ということだ。

IFIの米国投資適格社債リサーチ責任者のポール・イングリッシュ氏は、米国債券のESG(環境・社会・ガバナンス)投資のリスク調整後リターンが米国債券市場の平均を上回ることを示し、債券ESG投資の運用効率が高い点を指摘した。

同氏はインベスコが債券投資のESG評価に1987年から取り組んでおり、2017年9月30日時点における同社のESG投資が、19本の投資戦略で運用残高が570億米ドルにおよぶこと、顧客の社会的責任投資ガイドラインに合わせたポートフォリオ運用が可能なことを強調した。