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マクロ経済 オポチュニスティック・アプローチはFRBの次なる一手になるか
中銀プットの時代は終焉
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経済調査本部長 チーフエコノミスト
河野 龍太郎
新型コロナウイルス禍の影響で物価が高騰し、国民生活が脅かされる米国では、人々の関心は一気にFRB( 米連邦準備理事会)に向かっている。
金融市場参加者は、これまでと同様の行動原理を中央銀行が採用すると考えているだろう。ただ、中間選挙を前に、社会全体がインフレ終息に強い関心を持っているため、はたして中央銀行がこれまでと同様の行動を取ることができるのか、保証はない。少なくとも、以前のように資産市場に配慮した政策が取られることはないだろう。超人手不足社会であるため、経済にもさほど政治的配慮が求められないかもしれない。いずれにせよ、パウエルプットの時代は終わったと考えられる。
中銀プットの時代とともに、フォワードガイダンスの時代も終了した可能性がある。2000年代以降の繰り返す需要ショックに対し、金融緩和効果を最大化するために取られたのがフォワードガイダンスだった。ゼロ金利政策が常態化する中で、FRBが取り得たのがQE( 量的緩和)とフォワードガイダンスの2つだったとも言える。
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