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「ロシア・ウクライナ情勢」が新興諸国に及ぼす影響
世界的な供給リスクにも注視
北京五輪が閉幕した。個人的には冬のオリンピックの各競技が好きで、毎日熱い声援を送っていたため、競技終了はなんだか寂しい。一方、世界的スポーツの祭典の終盤には、ロシア・ウクライナ情勢を巡る各国首脳の情報戦が活発化していたのは気が重い話であった。これからの行方も正直よくわからない。
ただし、ロシア・ウクライナ情勢に関わらず、一時的なものも含め、主要品目の世界的な供給リスクの可能性は見ておく必要がある。新興国のソブリンリスクへのインパクトが大きいからだ。今回は、新興諸国への影響を中心に見ていくこととする。
情勢混乱がもたらすコモディティ市場への影響
ロシア・ウクライナ情勢が混乱してくると、貿易の全面停止までは至らないとしても、地場銀行や世界の決済システムに対するロシアのアクセス、またはルーブルとハードカレンシーの取引に制限が加えられる可能性があり、ロシアの輸出品の決済の妨げとなると思われる。ロシアは燃料、肥料、小麦、金属の重要な輸出国(図表1)のため、コモディティ市場に相当な影響を与えると予想される。
【図表1】世界輸出に占めるロシアの割合、2019-21年(%)
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