このほど、フィンテックのスタートアップ企業として事業会社向けに決済インフラサービスを提供するコイニーが、西武信用金庫と業務提携を結んだ。調印式の模様を紹介する。

佐俣氏(左)と落合氏(右)
調印書を挟んで笑顔を交わす佐俣氏(左)と落合氏(右)

2016年10月19日、スマートフォンやタブレット端末を活用したクレジットカード決済サービスを提供するコイニーは、西武信用金庫と業務提携を結んだ。西武信用金庫は、コイニーが提供する決済インフラサービスの導入支援を中小企業事業者向けに開始する。

カード決済インフラ「Coiney(コイニー)」は、従来のクレジットカード決済に必要な据え置き型の読み取り端末に比べて、導入コストが5分の1程度に抑えられる。また、レジの横に設置する必要があった読み取り端末を、レジ機能アプリを搭載したスマホと、クレジットカード情報読み取る端末を持ち運ぶだけで決済が可能になるため、外出先でも決済が可能になる。コイニー代表取締役社長の佐俣奈緒子氏は「これまで、業務形態やコスト面を理由にカード決済インフラの導入が進んでいなかった事業者の方に活用いただきたい」と話す。

東京・埼玉・神奈川の一部地域を中心に事業を展開する西武信用金庫は、フィンテックの活用を地域経済の活性化につなげる狙いがある。西武信用金庫 理事長の落合寛司氏は、「インバウンドの消費需要が勢いを増すなか、地元の商店街をはじめとした中小企業事業者でも多様な決済ニーズに対応できる店舗作りが必要になる」と指摘する。西武信用金庫は、初年度で1000店舗への導入を目指してサービスの普及に取り組むそうだ。

国内個人消費におけるカード決済の比率は年々上昇し続け、2014年時点で15%まで拡大している。キャッスレス化が進行するなか、カード決済インフラの浸透が国内経済に与える影響に注目が集まる。