ニューバーガー・バーマン米国地方債戦略 運用責任者のジェイムス・イスリン氏に、同社の運用戦略の強みと米国地方債市場の見通しを聞いた。(取材日:2016年8月5日)

ジェイムス・イスリン氏
ニューバーガー・バーマン
米国地方債戦略 運用責任者
ジェイムス・イスリン

グローバルに債券の利回りが低下するなか、有力な投資対象として米国地方債に注目が集まっている。ニューバーガー・バーマン 米国地方債戦略 運用責任者のジェイムス・イスリン氏は、「約370兆円の市場規模を持つ米国地方債市場は、流動性が高いことに加えて、9割超がA-格以上と信用力が高く、デフォルト率は社債対比で低位にある。特に、課税地方債のリスク・リターンは、米国債や投資適格社債などに比べて、相対的に魅力的な水準にある」と話す。

また、米国地方債は、ダウンサイド局面に強く値動きが安定しているのも特徴だ。イスリン氏は、「米国地方債はクレジット・クオリティが高く、M&Aなどのイベントリスクにさらされない。加えて、長期保有志向の米国の個人投資家に多く保有されており値持ちが良いことから、他の債券資産との相関性が相対的に低い」と語る。

足もとでは、低金利環境を背景とした企業活動の活発化に伴い、米国投資適格社債の新規発行が過去最高水準に達しつつある。他方、米国地方債の新規発行ペースは相対的に安定している。イスリン氏は「2016年の新規発行額はリファイナンス(借り換え)中心に増加し、前年対比で微増」との見立てを示した。

同社の米国地方債戦略は、日本国内でも高い支持を得ている。日本の投資家向けの運用では、2015年7月の設定以降、運用残高は順調に成長し、2016年7月時点で770億円に上る。

イスリン氏は、「長期にわたる運用実績と、お客さまのご要望に応じてポートフォリオを柔軟にカスタマイズできる点が提供実績につながっている。今後も、国内外を問わず、広く投資家のみなさまに魅力を伝えていきたい」と強調した。