ドル安と円安の綱引き状態

内田 稔
三菱UFJ銀行
グローバルマーケットリサーチ チーフアナリスト
内田 稔

2021年3月に一時1ドル=110.97円まで急騰したドル円は、同年4月に入って失速した。円安地合いは続いているが、ドルが下落に転じたためだ。量的緩和の縮小(テーパリング)が確実視され、米国の対外金利差拡大によるドル高期待は根強いものの、ドルの名目実効相場は2018年5月以来の安値圏まで反落している。今後のドル円も、円安とドル安の綱引きとなりそうだ。

円安に関して言えば、まだしばらく続く見込みだ。物価安定目標へのこだわりもあって、日本銀行の異次元緩和姿勢が揺らぐことはなかろう。新型コロナウイルス禍が収束に向かうにつれ、追加的に上乗せされてきたほかの先進国の緩和が除去されていく中で、金融政策の内外格差の拡大が円安期待を後押ししよう。

一方で、ドル安材料も多い。ドルの市場流動性はかつてないほど潤沢だ。世界経済の正常化を見据えたリスク選好地合いも、調達通貨となるドルの下落要因だ。何よりもドル金利の低迷が大きい。拡大傾向にある米国の経常赤字から生じるドル安圧力を跳ね返すのに、現在の長期金利では不十分とみられる。

この記事は会員限定です。

会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。
新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。

会員ログイン
 
  
新規会員登録(無料)
利用規約

第1条(本規約)

株式会社エディト(以下「当社」とします)は、当社が提供する「J-MONEY Online」(以下「本サイト」とします)について、本サイトを利用するお客様(以下、「会員」とします)が本サイトの機能を利用するにあたり、以下の通り利用規約(以下「本規約」とします)を定めます。

第2条(本規約の範囲)

本規約は本サイトが提供するサービスについて規定したものです。

第3条(会員)

本サイトの会員は、機関投資家や金融機関の役職員、事業会社の経営者・財務担当者、その他金融ビジネスに携わる企業や官公庁、研究機関などの役職員、もしくは専門家のいずれかに該当していることを条件とし、登録の申し込みを行うには、当社が入会を承諾した時点で、本会員規約の内容に同意したものとみなします。なお、申込に際し虚偽の内容がある場合や本規約に違反するおそれがある場合には、当社は会員登録を拒否もしくは抹消することができます。

第4条(ユーザー名とパスワードの管理)

ユーザー名およびパスワードの利用、管理は会員の自己責任において行うものとします。会員は、ユーザー名およびパスワードの第三者への漏洩、利用許諾、貸与、譲渡、名義変更、売買、その他の担保に供するなどの行為をしてはならないものとします。ユーザー名およびパスワードの使用によって生じた損害の責任は、会員が負うものとし、当社は一切の責任を負わないものとします。

第5条(著作権)

本サイトに掲載された情報、写真、その他の著作物は、当社もしくは著作物の著作者または著作権者に帰属するものとします。会員は、当社著作物について複製、転用、公衆送信、譲渡、翻案および翻訳などの著作権、商標権などを侵害する行為を行ってはならないものとします。

第6条(サービス内容の停止・変更)

当社は、一定の予告期間をもって本サイトのサービス停止を行う場合があります。 会員への事前通知、承諾なしに本サイトのサービス内容を変更する場合があります。

第7条(個人情報の取扱い)

当社は、会員の個人情報を別途オンライン上に掲示する「プライバシーポリシー」に基づき、適切に取り扱うものとします。

必須 私は、利用規約およびプライバシーポリシーに同意したうえで、会員登録を申し込みます。

本サイトからのメールは「●●●●●●@j-money.jp」という形式のメールアドレスで送信いたします。メール規制の設定をされている方は、「j-money.jp」のドメインからのメールを受信できるよう設定をお願いします。

必須=必須項目