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株式 米利上げは2023年と予想。アクティブな銘柄選別が奏功しやすい
緩和維持で良好な投資環境継続
2021年の世界経済はワクチン接種の進展で、新型コロナウイルスのパンデミックの影響を強く受けた非製造業でも回復ペースが速まってきた。ただ、足元では経済活動の本格的な再開に伴い、米国を中心にインフレ懸念の高まりもみられる。背景には、サプライチェーンの混乱や労働力不足によるボトルネックの発生があり、インフラ投資需要を受けた資源高も物価上昇圧力となっている。
しかし、これらの物価上昇圧力が経済成長を阻害するようなインフレ昂進(こうしん)に発展する可能性は低いだろう。なぜなら、現在見られるボトルネックは今回の景気回復が過去に比べて急ピッチであるために発生していると考えられ、いずれは解消に向かう可能性が高いからだ。資源高による原材料費の上昇も企業のコスト増を通じて利益を下押しする可能性はあるが、今のところ旺盛な需要の下、価格転嫁が可能な状況だ。
金融環境は世界的に緩和状態が続く見込みだ。米国では、FOMC(連邦公開市場委員会)で、テーパリング(段階的な資産買い入れ縮小)に向けた議論の開始や利上げ見通しについて2023年中への前倒しが示唆されるなど、政策転換が意識されるが、依然として経済の下振れリスクへの慎重姿勢が優勢。FRB(連邦準備理事会)は緩和的な金融調節を当面続けるとみている。総じて、世界の投資環境に大きな変化は見られず、株式市場には良好な環境が続こう。
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