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マクロ経済 「踊り場」から「後退」へ。増幅する景気下振れリスク
狭まる金融・財政政策の余力
世界景気に対する失速・後退懸念が再び台頭しつつある。世界経済は、主要国の中央銀行が「ハト派」へと転換したことで、2018年末以降の一時的な停滞から脱出しつつあったが、ここにきて米中貿易戦争の再燃を契機に、楽観シナリオは修正を余儀なくされつつある。
バークレイズ証券の試算では、今回の米国による対中国輸入2000億ドル、および追加分として検討されている3250億ドルを対象とした制裁関税適用を前提とすると、中国のGDP(国内総生産)成長率は累計で−1%ポイント弱低下する。日本においても生産動向、および長短金利差を基に推定される景気後退確率は、2019年3月段階で54%と2014年6月以来初めて景気判断の「臨界点」となる50%を上回った(図表)。
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