公的年金をはじめとした一部の機関投資家の間に日本株を見直す動きが出てきた。機関投資家のポートフォリオ戦略に安全資産からリスク資産へのトレンド転換を意味する“グレートローテーション”は起きているのか、日本株運用戦略のトレンドは何か。関係者に話を聞いた。(工藤晋也)
日本株離れに歯止め、魅力的なイールドに期待も
日本株の浮上のきっかけとなったのが、2012年11月の野田佳彦前首相の衆院解散発言だ。衆院解散を表明した2012年11月14日には8664円だった日経平均株価は、2014年7月1日には1万5326円と76.9%も上昇した。
株高をけん引したのが海外勢である。東京証券取引所の投資部門別株式売買状況によると、2013年の海外投資家の売買シェアは60%超と圧倒的な存在感を放つ。それに次ぐのが売買シェア25%超の個人投資家である。国内機関投資家の売買シェアは10%程度と両者に比べると影が薄い。
そもそも年金基金をはじめとした国内機関投資家の多くは長期安定的な運用を志向しており、ボラティリティの高い株式を敬遠する向きがあった。2013年に世界の主要株式市場のなかで最も上昇したアセットクラスとはいえ、日本株に対して国内機関投資家の関心が低いのも当然の帰結といえよう。
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