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マクロ経済 下期は預貸ギャップ拡大、一層の運用圧力も
預貸率低下の背景に預金の急増
コロナショックを契機に貸出しが増加している。一方、預金の伸びがそれ以上に拡大しているのが実情だ。貸出しの増加は、売上げの減少に伴う赤字補填の面に加え、今後生じうる資金繰りに対する予備的な資金ニーズも大きい。大手企業はコミットメントラインの拡大で対応するが、安全を期して事前に資金も借りているだけに、貸出し増加と同時に預金が積み上がる構造になりやすい。
加えて、一人一律10万円で配られた支給金をはじめ、コロナショックへの対策費用も、結局、預金として積み上げられやすい。赤字補填のコロナ緊急融資はいずれピークを超えると展望されるが、コロナショックが長引くなかで支援対応や金融緩和基調が続くことで預金の伸びは高水準で続くと展望される。その結果、預金の伸びほどは貸出しが伸びず、預貸率は低下しやすいだろう。
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