世界中の機関投資家が議論する年次会議「PRI in Person」が2021年9月14日から3日間、東京で初めて開催される。ESG(環境・社会・企業統治)投資の一層の浸透へ、今、機関投資家や企業に求められる考えや行動は何か。日本の活動をリードしてきた、PRIシグナトリー・リレーション ジャパン・ヘッドの森澤充世氏、パートナーズ・グループ・ジャパン代表取締役社長の棚橋俊介氏に語ってもらった。

森澤 充世氏 棚橋 俊介氏
〈左から〉
PRIシグナトリー・リレーション ジャパン・ヘッド
森澤 充世
パートナーズ・グループ・ジャパン
代表取締役社長
PRIジャパンネットワーク諮問委員会メンバー
棚橋 俊介

PRI年次会議でESG投資の世界の潮流を知る

PRI in Personは、どのようなイベントなのでしょうか。

森澤 世界で3000社を超える機関投資家がPRI(Principles for Responsible Investment=責任投資原則)に賛同署名しています。日本は80社ほどです。日頃は、互いにオンラインなどを活用してミーティングや意見交換会を行っています。「PRI in Person」とは「Face to Face」で会う場です。署名している機関投資家などが、基調講演やセッションに参加して、それぞれが持つESG投資の最新の情報や考え方について、会場内で活発な議論が展開されます。2019年はパリで開かれ、約1800人が世界中から、日本からも80名ほどが参加しました。

図表 PRIの沿革

棚橋 パリ会合はとても盛況でした。総会のテーマは「急変する時代における責任投資」。パリ市長やフランスの経済財務大臣ル・メール氏も駆けつけて挨拶がありましたし、マクロン大統領からはビデオメッセージが届き、ESGにおける緊急性や、危機感を持った対応についてのメッセージがありました。

参加者同士の情報交換も活発に行われ、我々も知識欲や感性が刺激されました。普段はパソコンの画面越しでミーティングをしている仲間たちと、実際に会って情報交換ができるので、とても意味があるイベントです。

2019年のパリ会合
2019年のパリ会合。交流を深め、情報交換にいそしむ参加者で盛り上がった

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