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マクロ経済 7年目の異次元緩和の行方、出口より副作用の緩和が焦点
好スタート後に失速して袋小路へ
日本銀行が2%のインフレ目標を達成するために「量的・質的金融緩和」を導入したのは、今から6年前の2013年4月である。当時、日本銀行は、あらゆる政策を総動員して2年で2%を目指すとしていた。しかし、それから現在にいたるまでインフレ目標は達成できず、「異次元緩和」とも称される日本銀行の大規模な金融緩和政策は、7年目に突入することとなる。
これまでの異次元緩和の変遷を簡単に振り返ると、最初の1年半ほどは着実に成果が出ていた時期と評価できる。円安の進行や国内景気の回復を背景に、全国コアCPI(消費者物価指数、生鮮食品を除く)は2013年春に下げ止まり、その後、2013年末にかけて明確なプラス基調へと転じた。つまり、短期間のうちに、日本経済がデフレ状態から抜け出すことに成功したのである。しかし、2014年夏以降の原油価格急落や2015年末以降の円高進行などによって、インフレ目標達成の雲行きが次第に怪しくなってくる。
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