法人企業統計・確報値使うと、設備投資は下方修正か

宅森 昭吉
三井住友DSアセットマネジメント
理事・チーフエコノミスト
宅森 昭吉(たくもり・あきよし)
旧三井銀行(現三井住友銀行)で都市銀行初のマーケットエコノミストを務める。さくら証券チーフエコノミストなどを経て現職。パイオニアである日本の月次経済指標予測に定評がある。身近な社会データを予告信号とする経済・金融のナウキャスト的予測手法を開発。「より正確な景気判断のための経済統計の改善に関する研究会」など政府の経済統計改革にも参画。「景気循環学会」常務理事

2020年1~3月期の実質GDP(国内総生産)成長率・第2次速報値は、第1次速報値の前期比年率マイナス3.4%から、設備投資の上方修正などで前期比年率マイナス2.2%に上方修正となったものの2四半期連続マイナス成長は変わらなかった。ただし、2019年10~12月期が前期比年率マイナス7.2%であったのに対し、減少率は小幅であった。

2020年1~3月期のマイナス成長は新型コロナウイルスの感染拡大によるものであった。2019年10月の消費税率引き上げの影響や大型台風で大きく落ち込んだ後、経済活動が2020年年初にいったんは戻りかけたが、新型コロナ禍で大きく落ち込んだかたちだ。

GDPで最大の需要項目の実質個人消費・前期比は1~3月期はマイナス0.8%と2四半期連続の減少になった。実質家計最終消費支出の前期比はマイナス0.8%の減少、実質国内家計最終消費支出の前期比はマイナス1.3%の減少である。その内訳を見ると、耐久財の前期比はプラス1.9%と2四半期ぶりの増加になった。半耐久財の前期比はマイナス5.2%で、こちらは2四半期連続の減少となった。STAY HOMEに伴う日用品の購入増が見られ、非耐久財の前期比はマイナス1.5%と3四半期ぶりの増加になった。自粛によるレジャー関連消費の落ち込みでサービスの前期比はマイナス2.7%と2四半期連続の減少になった。

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