企業型DCにおいて投資教育は重要です。ところが現実には、加入者の多くが「無関心」。では、どうすれば良いのか。内容や方法論について多くの議論があります。しかし木須さんは「そもそも投資教育が加入者に届いていますか」と。もっと根本にさかのぼって考える必要があるのでは、と問いかけます。

1年前の宿題:「加入者の無関心」

投資教育については、連載1年目でも取り上げましたよね。そのときは「加入者の無関心」が大きな課題だという話でした。

木須 事業主としてやるべきこと、一方で現実に直面する課題。具体的には、必ずしも制度やDCの運用に関心を持ってくれる人だけではないこと、などについて話しましたね。今回は2年目ということで、投資教育に関して「できること」を増やすために何を考えるべきか、議論しましょう。具体的には投資教育を実施するだけではなく、それがDC加入者の従業員にきちんと届いたかどうか。ここが重要なポイントです。

会社としてセミナーやeラーニングを提供しています。でも、すべての従業員に届いている、という感触は残念ながらありません。

木須 阿部君のその感覚は正しいと思います。昨年、公表された論文(宮下恵子「職域における継続投資教育とファイナンシャル・ウェルビーイング」)によると、企業側の調査では過去3年間に継続投資教育を「実施した」と回答した割合が63.1%だった一方、従業員側で「継続的に何回か受けた」と答えた割合は15.9%にとどまっています。調査対象が企業側と従業員側では異なるので単純比較はできませんが、企業側の認識と従業員側の受け止め方には相当なギャップがありそうです。

【図表1】企業側と従業員側の投資教育の意識の「ギャップ」
【図表1】企業側と従業員側の投資教育の意識の「ギャップ」
注:企業側と従業員側は異なる調査であり、数値の単純比較はできない
出所:宮下恵子「職域における継続投資教育とファイナンシャル・ウェルビーイング」(2025年)を基に、かもめリサーチ&コンサルティング作成

投資教育は「届いて」ナンボ

このギャップはすごいですね。なぜこのような差が生まれるのですか。

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