会員限定
マクロ経済 バランスシート問題からみたバブル崩壊とコロナショック
バブル崩壊とコロナショック
今回のコロナショックは未曽有な規模になってきた。そこで、その状況を過去の危機であるバブル崩壊と比較することにする。
バブル崩壊時は、資産デフレに伴うバランスシート左側の資産価値の消失が問題の出発点だった。一方、コロナショックでのバランスシート調整プロセスはバブル崩壊後と共通するが、その違いは、バランスシート右側の資本の毀損が起点で、企業の売上げ減少などに伴う損失から資本を失うことが出発点となる。同時に、先行き期待の低下から株式・不動産を中心に資産価格が下落し、バランスシート左側の資産価値の減少も二次的に生じうる。ただし、その程度は現段階ではバブル崩壊時と比べ限定的だ。
バブル崩壊では、不動産などの資産デフレの影響がいわゆる「バブル3業種」(建設・不動産・卸小売)を中心に大手金融機関の問題となった。一方、コロナショックでは経済活動の停止に伴い、飲食、小売り、宿泊、生活関連、娯楽、陸運、医療福祉の「コロナ7業種」を中心とした中小企業問題が地域金融機関に波及する連鎖だ。これまでの日本の危機はマクロ経済の転換に伴う大企業を中心としたものだったが、今回は中小企業中心の新たな形態である。
この記事は会員限定です。
会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。