知りたい!隣の企業年金・第30回 サンリオ企業年金基金──ファンド運用者と徹底交流〜情報収集に注力、セミナー出席も年に50回
今回は「キティちゃん」のキャラクターで知らない人はいない株式会社サンリオの企業年金基金です。誕生50周年を迎えた「マイメロディ」や20周年の「クロミ」に囲まれたような空間で、納富誠(のうどみ・まこと)常務理事に、事実上ワンマン・オペレーションという企業年金運営を伺いました。

JR大崎駅に直結するゲートシティ大崎ウエストタワー。サンリオの総合受付には受付デスクのようなものはなく、大小のキャラクターの飾り付けの中を社員や来客が行き交う。社員の多くはノートパソコンを抱えながら歩いている。そのほとんどにキャラクターのシールがびっしり張られている。女性が多く、ジャケット姿は少ない。ネクタイはほぼゼロ。常務理事の納富さんは白いジーンズ姿で現れた。
サンリオ企業年金基金の概要
- 所在地/東京都品川区大崎1丁目
- 設立年月/2004年3月に代行返上し、厚生年金基金から移行
- 資産総額/251億円
- 加入者/985人 受給者/478人
- 予定利率/1.8% 期待運用収益率/3.23%
(いずれも2024年3月末現在)
午前1時過ぎに届いたメール
納富さんに取材を申し込んで了解いただいたメール、今回面会のリマインドで送ったメール、いずれも届いたのは午前1時過ぎでした。
納富 本来の基金型のDB(確定給付型企業年金)のほかに、規約型のDBと母体の退職給付信託の実務も担当しています。業務が重なるとついつい深夜に及んでしまって。運用のほか、日々の裁定事務、制度変更や規約・規程の変更などもほぼ一人でこなしています。今は規約型の決算資料を作りながら、基金型の予算資料作成、運用商品の変更も。さらにリスク対応掛金の延長やアセットオーナー・プリンシプルの受け入れ表明などが重なっているので冗談でなく、キティちゃんの手を借りたいぐらいです。
この「知りたい!隣の企業年金」にご登場いただいた企業年金の常務理事や運用執行理事の方々は基本的に勉強熱心な人たちが多いです。各種のセミナー会場で良くお会いしますが、納富さんはその中でも突出している印象です。
納富 確かに2024年は上期に27回、下期に18回出かけて受講しています。
すごい。しかも全部、小さい字で日程をびっしり手帳に書き込んでいますね。
直近3年間はマイナス運用なし
ここで本題ですが、最近の運用成績はいかがですか。
納富 【図表1】が直近3年間の成績です。
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