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日本電産 代表取締役社長 永守 重信氏 特別インタビュー 「営業利益率15%」で経営の安定度を高め、ミドルレンジ以下の新興国市場に参入せよ
1973年に4名で創業し、高い技術と的確なM&Aで、今や従業員15万人、グループ170社を数えるまでに成長した日本電産。グループの総帥である代表取締役社長の永守重信氏に日本企業の再成長戦略を聞いた。(聞き手:柴田哲也/取材日:2011年12月19日)
「リーマン危機」のおかげで最高益
2011年を振り返っていかがですか。
永守 東日本大震災、超円高、レアアースの高騰、タイ洪水など大きな問題が次々起こった1年でした。1年間に4つも続けて収益悪化要因に見舞われたのは創業39年で初めてですよ。
しかし、これまでで最も大きなインパクトといえば、やはり2008年秋のリーマン・ショックでしょう。あのときは売上高が半分になった。この状態がこの先数年続くかもしれない。初めて経験することは先が見えないので、経営者にとっては一番の恐怖です。
私はすぐに損益分岐点を大幅に引き下げて売上高が半減しても黒字を出せる組織に変える生産性改善活動「WPR(ダブル・プロフィット・レシオ)」を実施。モータの金型の内製化から製造工程の再編・集約など全業務を徹底的に見直しました。その結果、2009年度決算は一転、過去最高益になりました。
今では「リーマンがあったから最高益を出せた」と思っているくらいです。東日本大震災では我々も東北の4工場が被災しました。でも、大きな困難を一度乗り越えた経験があるので、今は何をすべきかほぼわかります。
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