株式 利下げサイクルの開始に鑑み、ポートフォリオの見直しを
2025年の世界株式も上昇基調
2024年9月に利下げを開始したFRB(米連邦準備理事会)。ソフトランディングの道筋を示したとして称賛に値するかもしれない。今後もインフレの減速を受けたFRBの利下げ余地は大きい。
年初時点で我々がみていたよりも米国経済は底堅い一方で、インフレ率は2%に向けて着実に低下している。米国経済が失速を回避しつつ、インフレは沈静化に向かうというソフトランディングの軌道上で2025年を迎えることになるだろう。
このような米国経済のソフトランディングの実現への期待は徐々に株式市場に織り込まれており、世界株式は年初来で16.5%上昇した(MSCI全世界株指数のトータルリターン、10月末時点)。FRBが利下げを開始した2024年9月以降、S&P500指数をはじめとする米国の主要株価指数は高値を更新してきた。
その間、中東情勢悪化などの地政学イベントの発生や米国大統領選挙をめぐる不透明感によるボラティリティ上昇をこなしながらも、株式市場には良好な環境が見られてきた。FRBが緩和サイクルに入った9月以降、市場のハト派的な期待は満たされつつあるのではないだろうか。
2025年も世界の株式市場は堅調に推移すると予想する。その背景には堅調な企業業績見通しがある。
2025・2026年の主要各地域の利益成長率(Bloomberg 集計、2024年10月31日時点)はいずれも増益が見込まれており、米国株(S&P500指数)は2ケタ台のEPS(1株当たり純利益)の成長が続くとみられている。足元でも第3四半期の決算発表は概ね良好で、S&P500採用企業のEPSは事前予想を7%以上上回っている(2024年10月末時点のBloomberg集計)。
大型株から中小型株への資金シフトも
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