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外国為替 日米の政治要因などで2025年は円安・ドル高に振れる可能性が高い
2024年の3つの不透明要因
金融市場にとって、サプライズ続きだった2024年も残すところあと僅(わず)かとなった。ドル円相場は140円台に始まり、7月には161円台後半を示現。その後は9月に140円ちょうどを割り込んだかと思えば、10月に再び153円台まで上昇するなど、激しい相場展開となった。
8月以降はドル円の1カ月物インプライド・ボラティリティーは平均で12.5%と高止まりしているが、ボラティリティーの高さの背景には、3つの不透明要因、①日米金融政策、②日米の政治、③地政学リスク、があるとみている。2025年の為替相場を予想するにあたり、この3点を軸に考えてみたい。
米国は9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.5%もの利下げに踏み切った。今後も利下げ方向ではあるものの、そのペースは依然として不透明だ。
米国のインフレが抑制されてきた今、FRB(米連邦準備理事会)は物価の安定と雇用の最大化という2つの責務のうち、雇用に軸足を置いている。しかし、その雇用関連の指標が強弱混在しており不安定だ。
一方、日本の金融政策も予想し難くなっている。7月の利上げでは、正常化に前向きな姿勢を示していた日銀総裁が、9月に「時間的余裕がある」という表現を持ち出したことで、市場では追加利上げ観測が後退。10月の決定会合では米国経済の堅調さを理由に「時間的余裕」は封印したが、見通しは極めて不透明だ。
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