明治安田生命が2024年4月に発表した新しい一般勘定は、横並びのイメージが強かった「生保一般勘定」が、各社のアイデアと強みを競う新しい時代に入ったことを示した。加入者の老後の生活を支える年金を支払う年金基金に、決められた利回りを保証する一般勘定が「金利ある世界」でも選ばれる金融商品になるためには──。関係者に話を聞いた。
3年保証の上乗せ利率を挟んだ「3階建て」
明治安田生命が2024年4月に発表した1本のプレスリリースにより、生保一般勘定は新しい時代に突入した。「多くの年金基金から、2025年4月の9年ぶりの引き受け再開、さらに従来の一般勘定とは一線を画す商品設計を評価する声をいただいている」(同社)。
新商品のキーワードは「収益の予見可能性と新規制対応のバランス」だ。通常の一般勘定は「固定の予定利率」と「配当」の2階建てだが、新商品は「上乗せ利率(3年保証)」を挟んだ3階建てとした(図表1)。
従来の配当の一部を「有期(3年)の上乗せ利率」として保証し、0.5%の固定の予定利率と合わせて確実な利回りを提供する。また、配当も健全性に応じて0.05%(ただし、2025~2027年は0.1%)以上支払うとしており、年金基金からすれば、2025~2027年度は1.4%、2028~2030年度は1.0%以上の収益がノーリスクで獲得できる。
この上乗せ利率の原資は、20年国債利回りの10年移動平均を安定的に上回る水準を目標に、公社債や貸付金といった円金利資産、さらには株式および海外公社債などへの積極投資も含めた運用で捻出する。上乗せ利率は3年ごとに見直すとしており、2028~2030年度の確定値と、2031~2033年度の最低保証値は、2027年5月頃に公表する予定だ。
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