東北大、機関投資家向けにキャンパス・ツアー〜先端研究施設披露し投資・寄付募る
東北大学は、PE(プライベート・エクイティ)ファンドや銀行などの機関投資家向けに、医療や半導体工学といった先端施設やスタートアップ企業などを披露するキャンパス・ツアーを実施した。「世界で勝負し、地域に貢献する」ために、国内外の民間から積極的に投資や寄付を求めるアグレッシブな姿勢を示した。(J-MONEY論説委員 阿部 圭介)
大学側の許可を得て7月24日、米国と日本のベンチャー・キャピタル、銀行、証券、投資顧問などで構成する25名のツアーメンバーに同行した。ツアーは、仙台市の中心部にある大学本部を起点に、星陵キャンパスにある東北メディカル・メガバンク機構、青葉山を新たに開発して建設された青葉山新キャンパスの各施設を巡った。
ツアーを出迎えた東北大側の主なメンバーは、総長に次ぐNo.2である「プロボスト」で企画戦略総括担当の青木孝文理事・副学長(写真)や、事業財務戦略担当CFO、資金運用総括責任者CIOの宮田康弘理事(第一生命保険出身)ら。
東北大は、国が新たに支援を行う「国際卓越研究大学」の第1号として、2024年10月以降に正式に認定される見込み。10兆円規模の「大学ファンド」の運用益の一部が交付される。ツアー出発のあいさつで青木理事・副学長は「卓越大学として配分される資金の運用益の9割は人材開発投資に充てていきたい。また、みなさんのような高い識見をお持ちの方々に投資していただくことで、実学尊重を標榜する本学の研究・教育力を一層充実させて、世界で戦えるレベルに引き上げたい」と述べた。
この日、ツアーが視察したのは以下の施設と内容。順次、当日の説明などを紹介していく。
②国際集積エレクトロニクス研究開発センター
③災害科学国際研究所
④東北大におけるスタートアップについて
⑤3GeV高輝度放射光施設(ナノテラス)
疾患リスク予測へ三世代健康調査
最初に訪れたのは、東北メディカル・メガバンク機構。星陵キャンパス内の東北大学病院に隣接し、医学部棟と一部連結している。同機構は2011年3月に発生した東日本大震災を受けて、①被災地における医療復興への貢献②未来型医療の開発体制の構築の2点を目標に2012年2月に設立された。
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