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GX経済移行債:成功裡の発行とこれからの期待
最初の一歩となった政府による世界初のCT債発行
2024年2月14日入札、2月15日発行となった世界初のクライメート・トランジション利付国債(以下CT債)。CT第一回債の利回り0.74%と決まったが、当日の午前11時時点の利回りが0.745%。わずかとはいえ、グリーニアム(グリーンとプレミアムを足した造語。一般的にグリーンボンド発行は需要が高く通常の国債より人気が出るため、同条件の債券より利回りは低くなるが、価格は高くなる)がついて、無事入札が完了したことは、発行体である財務省にとっても安心材料であろう。
日本政府にとっては、今後10年間で150兆円を官民連携で調達しGX投資をしていくための最初の一歩であり、なんとしても成功すべき案件であったことも確かである。この成功裡に終わった発行は額面通りに見ていいものかどうか。今後の注目ポイントも含めて整理しておこう。
そもそもGX推進法(脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律)に基づいた発行で、発行条件は図表1の通り。10年債、5年債、それぞれ額面金額で8000億円ずつ、1.6兆円で、利回り競争入札によるダッチ方式での発行であった。
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