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マクロ経済 新NISAと家計資産の2つの潮流。海外資金逃避が生む円安圧力
預貯金1000兆円の内実
新しい少額投資非課税制度(新NISA) が2024年1月に開始したことに伴い、金融市場では、家計金融資産の現預金から株式・投資信託へのシフトが加速するという期待が高まっている。
日本銀行の「資金循環統計」によると、2023年9月末時点の家計金融資産は2121兆円と過去最高を更新し、そのうち「現金・預金」は1113兆円と5割を超える。タンス預金や日常的な支払いのための現金は直ちに投資に回らないと考えられるが、金融機関の口座に滞留している預貯金だけでも1007兆円あり、日本の家計の潜在的な投資資金はかなりの規模といえよう。
既に証券口座を開設する動きが顕在化し、人気のある投資信託への資金流入も拡大しており、新NISAは幸先の良いスタートを切ったと評価できる。今後も、新NISAをきっかけに家計の「貯蓄から投資へ」の潮流は着実に広がっていくと期待される。
ただし、日本では家計の預貯金が高齢層に偏在していることなどから、家計金融資産の構成比の変化は緩やかなペースにとどまると見込まれる点には留意が必要だ。
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