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年金資産運用・基礎の基礎【実務編】 【ポートフォリオ構築のABC】第2回 運用方針を策定する〜期待リターンと許容リスクの設定が重要
新シリーズ【ポートフォリオ構築のABC】。前回の第1回では、企業年金としてまず自分たちの財政状況を知ること、つまり「自画像」を知ることが大事だということを学びました。今回からは、ポートフォリオを組み上げていくうえでの具体的な検討項目をラッセル・インベストメントの金武伸治さんに説明していただきます。スタートは「運用方針」についてです。
運用基本方針に「長期分散投資」
運用方針を策定するのが手始めというのは分かりますが、具体的には何を決めるのですか。
金武 運用方針の策定では、まず運用基本方針で示される内容について決定します。具体的には【図表1】の項目について検討することになります。
【図表1】運用基本方針で示すべき項目
- 運用目的
- 将来にわたる安定給付。
- 許容リスクのもとでの長期的な運用収益の確保など
- 運用目標
- 目標リターンや期待リターン、許容リスクなど
- 運用対象資産
- 投資対象資産、資産クラスごとの政策ベンチマークなど
- 基本資産配分
- 政策アセットミックスおよびリバランス・ルールなど
出所 ラッセル・インベストメント作成
特に「運用目的」で長期分散投資を基本方針とすることを示すことにより、運用目標や資産配分などが長期的な視点によって策定されることを示します。
期待リターンと予定利率、通常は連動
「運用目的」は、個々の企業年金としての「決意声明」のようなものですね。具体的な内容項目としては「運用目標」以下で記述することになるのでしょうか。
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