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マクロ経済 日本はインフレ時代に突入するのか。行き過ぎたビハインドザカーブ政策
超人手不足社会の常態化へ
少子高齢化による生産年齢人口の減少は、インフレ的に作用するか、デフレ的に作用するか。欧米の研究者は、労働供給が減少するのだから、賃金が上がりインフレ的に作用すると考える人が多い。
確かに、新型コロナウイルス禍の米国では、多数の高齢者が労働市場から一気に退出した影響もあり、労働需給の逼迫(ひっぱく)が高インフレの一因となった。しかし、現在の中国では、生産年齢人口の減少で不動産不況が続き、インフレどころかデフレが懸念されている。
日本の経験からすれば、人口動態の影響は、当初は先行して需要サイドに悪影響が強く現れるように思われる。例えば、日本企業は少子高齢化が売り上げ減少をもたらすと懸念したから国内投資を抑制し、海外でのビジネス展開に注力した。そのことは潜在成長率を低下させる要因となったが、まずは国内投資の不振による総需要の低迷として表れ、デフレ的に作用した。
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