会員限定
強い株価は米景気の陰りを想定しているか
与信基準の厳格化が景気減速の予兆に?
2023年7月31日現在、日経平均株価は3万3172円。この6カ月で5800円の急騰ぶり。しかし、本当にそんなにファンダメンタルズは強いのか。強い株価は米国や欧州における信用環境のひっ迫ぶりを無視しているとしか思えないのだが……。
金融市場に強気の人が多いことを承知の上で、ネガティブなことばかり言うのも気が引けるが、リスクが出てくる可能性として聞いてもらえれば幸いだ。
お金が回らなくなれば、景気に悪影響があるのは当然のことだし、金利が急上昇したことによるリスクも出尽くしたかと言えば、そうとも言えまい。そこで、今回は特に信用環境についてチェックしてみることとする。
中央銀行の政策伝達メカニズム
2022年の欧米は金利上昇が急激であった。その影響がどういう仕組みで伝達されるのかを示したものが図表1である。
この記事は会員限定です。
会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。