学校法人・金融法人の担当者必見! 機関投資家ゼロからの資産運用 【プライベート・アセット再入門】第4回 海外に引け取らぬ国内不動産〜中長期的に投資意義、直近の運用成績はインフラに劣後
シリーズ第4回は不動産投資です。実物資産への投資として、日本国内でも厚生年金基金時代から長い歴史があります。プライベート・アセットへの投資は圧倒的に海外が主流ですが、その中で不動産投資は投資のボリューム、パフォーマンスともに国内が海外に引けを取らないという例外的なセクターです。ラッセル・インベストメントの藤井春登さんに、現状や背景を詳しく解説していただきます。
1980年〜90年代に不動産バブル
不動産は、オルタナティブの中ではプライベート・エクイティ(PE)やプライベート・デット(PD)などに比べて身近な存在です。
藤井 家やマンションを購入することもあるわけで、おっしゃる通りですね。今回、不動産投資を解説するにあたって、1980~90年代に日本で起きたバブルの発生と崩壊を振り返ってみたいと思います。
日本の不動産は、バブルを通じて価格の大幅な上昇と下落を経験しました。例えば東京23区の商業地の最高価格では、1991年にピークをつけ、それを更新するまで約15年もの年月がかかりました(国土交通省「主要都市における商業地の最高価格の推移」 )。当時の経済力や都市人口の増加、金利・融資環境など、様々な要因が複合的に組み合わさることで不動産バブルが発生しました。とりわけ、「不動産価格が永遠に上昇し、短期的な売買によって簡単に利益を得られる」という大衆心理も、バブルを膨らませる動きを加速させた一因と考えます。
かつて、資産運用についての国の規制として「5・3・3・2規制」(1998年に撤廃)がありました。これは、厚生年金基金の資産運用に対して「安全資産は5割以上、国内株式と外貨建て資産はそれぞれ3割以下、土地等不動産は2割以下とする」というものです。このこと自体、かつては不動産が当然の投資対象であり、年金基金が多額の不動産投資を通じて大きなリスクを抱え込まないよう規制で縛る必要があると考えられていたことを示唆しています。
しかし、バブル崩壊によって不動産投資に対する見方は大きく変わりました。経済的な損失を大きく受けた機関投資家の間に、不動産投資に対する警戒感が広がりました。また、厚生年金基金はもとより、企業年金などにおいても、母体企業が「年金運用での不動産投資は禁止」とする方針を決めた事例を数多く目にしました。
不動産の価格変動を要因分解
しかし、不動産投資そのものが悪いわけではありませんよね?
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