みずほグループ、学校法人向けに「資産運用高度化」セミナー インフレ下、「預金と債券のみ」は最大のリスク
みずほグループは「学校法人における資産運用の高度化とガバナンス体制の構築」と題したセミナーを各社共催で2026年7月24日、東京都内で開催した。その概要を紹介する。
セミナーは2部構成。第1部は「大学の資産運用の高度化とガバナンス体制の構築における論点整理」とのタイトルで、文部科学省技術参与の川崎成一氏が講演した。川崎氏は文科省と経済産業省が連携実施している「大学の資産運用の在り方に関する研究会」の座長を務める。また、各大学に求められる取り組みなどについて記載した「大学の資産運用の促進・高度化に向けたガイドブック」の発刊の責任者でもある。
多くの大学で資産運用のガバナンスが欠如
川崎氏はまず、日本の大学を取り巻く環境変化と財務基盤の危機的状況について概観した。わが国では少子化の加速度的な進展によって2040年の大学進学者数は現在より約3割減少する見込み。一方、DX・GXの進展やAIなどの発展に伴う教育研究の高度化に加えて、昨今のインフレ圧力の高まりで大学運営に必要なコストは増大傾向にある。
こうした現状を踏まえて文科省は「大学の資産運用実態把握等調査」を2025年3月末時点で行った。
それによると
②基本ポートフォリオや運用目標を設定していない大学が国立大学でも半数以上を占めるなど、本格的な運用のためのガバナンス体制が絶対的に不足している
といった点が確認されたという。
資本市場を活用して財務基盤の強化を
川崎氏はまた、「デフレ期においては『元本が減らないこと=安全』だったが、環境は一変している」と説明。現状の「預金・債券中心」の運用を継続することは、資産価値の実質的な目減りを意味し、長期的に得られるはずのリターンを放棄していると指摘した。そして、このことは大学の将来に対する重大なリスクを内包していると強調した。したがって今後は「資本市場を生かした資産運用に移行すべきで、これは大学の財務基盤の強化につながるとともに、わが国の未来を創造するイノベーションにも資する」と見解を述べた。
セミナー第2部では「大学の資産運用の高度化とガバナンス体制構築に向けた取り組みと課題」と題して、最初に国立大学法人・京都大学CIOの喜多幸之助氏(元ラッセル・インベストメント コンサルティング部長)と、学校法人・東京女子大学CIOの小川詞子氏(ベネッセグループ企業年金基金常務理事を兼務)の2人がそれぞれの大学の現状を報告した。
この記事は会員限定です。
会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。














