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無理な資金調達に対する懸念
過剰流動性が支える株価最高値

エグゼクティブ・フェロー
中空 麻奈氏
イラン戦争があり、原油の動向に不透明感がある中、米国でも日本でも株式市場は史上最高値を更新している。“不透明感の払拭”とか日和見(ひよりみ)ばかりで、解説はなされるがピンとこない。私見では、世の中にある過剰流動性がシャドーバンクを通じて金融市場、とりわけ株式市場を支えており、価格が調整され“落ちれば買い”の動きが生まれ、空前の株価に繋がっているのだとみている。
リーマンショックのような大きなショックの根本には「リスクの連鎖」がある。そして、リスク連鎖のさらにその根源には「流動性の枯渇」がある。言い方を変えると、流動性が枯渇しない限り、マーケットはクラッシュしない可能性がある。
冒頭に触れたイラン戦争など地政学的リスクだけでなく、AIバブルやプライベートクレジットの信用不安など、現状懸念されるリスク要素は多い。それでも大きな問題になってこないのは、過剰流動性が市場を支えてしまうからだと考えられる。
「無理を通せば道理引っ込む」がずっと続くと考えるのは妄想である。そうした無理から破綻を来たすシナリオを、我々はこれまで何度も見てきた。その文脈で言えば、AI関連事業者の最近の資金調達が危ういことは、一定程度の懸念を持って注視する必要があるだろう。
今回はAIおよびハイパースケラーの無理な資金調達について現状を整理する。
AI・ハイパースケラー企業の財務状況
マグニフィセントセブンから社債調達のないテスラを除き、代わりに社債調達がこのところ巨額に上っているオラクルを加えた7社について、各々のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)スプレッドを見てみよう(図表1)。
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