PIMCO社長クリスチャン・ストラック氏に聞く 「AIの進化」「実質金利の回帰」 クレジット運用の再考
世界最大級の債券運用会社PIMCOで社長を務めるクリスチャン・ストラック氏が、J-MONEYのインタビューに応じた。パブリック・プライベート双方のクレジット市場で注目される投資機会などについて話を聞いた。

社長 マネージング・ディレクター
クリスチャン・ストラック氏
アクティブ投資による“ポケット”の発見
ここ最近の中東情勢の緊迫化を受け、地政学リスクが拡大する中、原油価格の急騰に伴い、債券を含む世界的な市場で売り圧力が高まっている。投資家はこうした状況をどのように解釈すべきか。
ストラック 市場の反応は、地政学的なショックが市場を通じてどのように伝搬するかを反映したものであり、世界的な成長見通しに対するファンダメンタルズの再評価を示すものではない。今回の場合、主な伝搬経路はエネルギー価格だった。原油価格の急騰により短期的なインフレ期待が押し上げられ、これを受けて債券市場では金利見通しの再評価が進み、早期の利下げ期待が後退した。このような動きは、リスク選好が全般的に悪化したにもかかわらず国債利回りが上昇した要因として挙げられる。
また、リスクの再評価と金融ストレスの兆候を区別することも重要だ。ボラティリティは上昇しているものの、市場機能は秩序を保っており、クレジットスプレッドは概ね一定の範囲内で推移し、質の高い債券セクターでは底堅さを示している。このような状況を踏まえると、債券は引き続き魅力的な投資対象と見なされる。現在の高水準の利回りと高いキャリーは、市場が不安定な局面においても、ボラティリティに対する有意な緩衝材となる。
今後については、エネルギー供給の混乱がどの程度の期間・規模で続くかが、結果を左右する見通しだ。ショックが長期化すれば、インフレや政策に対して、短期的な事態とは異なる影響を及ぼすことになるだろう。しかし、初期利回りは依然として魅力的であり、市場間の利回り格差も拡大していることから、アクティブ運用で質を重視した債券は、長期的にポートフォリオの安定化とリターン創出の両面で有効な役割を果たすと考えられる。
グローバル債券市場で注目しているセクターは。
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