政府が2024年8月に策定した「アセットオーナー・プリンシプル」で言及されたことで、投資の意思決定や運用戦略の実行までをアウトソースするOCIOが認知度を高めている。これまで機関投資家の目利きとして重宝されてきたゲートキーパーとの違いや、効果的にOCIOを活用するポイントについて取材した。
負荷大の「下流」業務を外出しし、投資効果の高い「上流」へ注力

取締役
ウェルスビジネス代表
坪田 史郎氏
地政学的リスクの増大や金利環境の変動など、かつてないほど運用環境が複雑化する中、アセットオーナー・プリンシプル公表などに表れる運用高度化の波がやってきている。その半面、専門人材の不足や後継者問題といったリソース問題にも直面する国内の多くのアセットオーナーが、こうした内憂外患の状況に対する新たなソリューションとして注目度を高めているのが、OCIO(アウトソースド・チーフ・インベストメント・オフィサー)だ。
OCIOとは、本来はCIO(最高投資責任者)が担うべき資産配分の策定や運用機関の選定、さらには実際の投資実行に至るまでの投資判断を、運用会社やコンサルタントなど外部の専門家が受託するサービスを指す。海外の企業年金などの機関投資家の間で広く活用されてきたが、国内では2024年に政府が策定したアセットオーナー・プリンシプルの中で、外部の専門知見を活用しながら運用高度化を図るアプローチの一つとして明記されたことで、関心が高まりつつある。
OCIOの主要プロバイダーの一社であるマーサージャパンの取締役 ウェルスビジネス代表の坪田史郎氏は、「OCIOと聞くと、全ての運用業務をアウトソースするサービスだと考えがちだが、それは誤解だ。我々は、OCIOを単なるアウトソーシングではなく『Extension of Staff(スタッフの拡張)』と呼んでいる。あくまでアセットオーナーの運用チームの一員として、不足している機能や専門性を補完するという考えだ」とその本質を説明する。
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