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年金資産運用・基礎の基礎【実務編】 【ここが知りたい勘どころ〜読者アンケートに答えます】第5回:為替ヘッジ徹底解説(後編)〜効率的な管理に好適なルールベース戦略
前回の中編では、ダイナミックヘッジ戦略にフォーカスを当てました。「円安局面でヘッジ比率を引き下げ、円高局面でヘッジ比率を引き上げる」という仕組みで、為替のトレンドに連動してヘッジ比率を変更する戦略でした。今回は為替のファンダメンタルズに着目した「ルールベース戦略」について、ラッセル・インベストメントの金武伸治さんに詳しくお聞きします。
「為替版のスマートベータ」
為替ヘッジに関する「ルールベース戦略」とは、どういった内容なのですか。
金武 ルールベース戦略とは「為替レートの決定要因には一定の基礎的理論が存在する」という考え方に基づき、理論的に上昇すると考えられる通貨を買い建て、下落すると考えられる通貨を売り建てることにより、為替ポジションの効率化を目指す戦略です。株式や債券にもルールに基づくスマートベータという考え方がありますが、ルールベース戦略とは、いわば「為替版のスマートベータ」と言えるでしょう。
為替レートに短期・中期・長期の決定要因
そもそも「為替の基礎的理論」とは何ですか。
金武 一般的に主要な為替の基礎的理論とされるものを【図表1】にまとめました。論文によっては、このほかに「ボラティリティ要素」などを含める場合もあります。
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