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為替 株高円安はいつまで、どこまで
日本株高で円安の謎
2023年5月の反発でドル円は133円台から140円台まで上昇。年前半のここまでの反発は概ね筆者の想定に沿った展開だが、筆者の弱気な中長期シナリオにはイエローランプが点滅し始めている。年後半の相場を考えるにあたり、悩ましい状況になってきた。
説明は割愛するが、いくつかの理由で、筆者は2022年3月~5月の日米10年金利差との関係で見ると、ドル円の状況が的確に把握しやすいと判断。その関係から単純な試算値を導き、ドル円の方向感を見極めてきた。今回のドル円反発もこの間の米金利上昇とそれに伴う金利差拡大に牽引(けんいん)されたものである。
とは言え、その金利差・推計値は現在、137円前後。141円に迫ったドル円の上昇はそうした金利差・推計値を超えるものとなってきている。
通常、こういった推計値からのドル円上振れ(下振れ)をもたらすものは、米ドル指数の上昇(下落)、つまり対ユーロなどでの全体としての米ドルの強弱感である。だが、今回、ドル指数はそこまで力強い動きを見せているわけではない。
半面、最近、目立つのは米株など各国株式市場をアウトパフォームしている日本株の強さだ。金利差・推計値を超えるドル高円安はこの間、日本株の米株に対するオーバーパフォーマンスで説明できる。だが、なぜ日本株高で円安なのか?
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