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為替 やはり甘かった「春になれば円安は止まる」の思惑
輸出入の同時減少で収支改善進まず
2022年来、筆者はお客様に対するレポートやメディアからの取材において「春になれば円安は止まるはず」という楽観論にはどうしても乗れないと述べてきた。
当時からFRB(米連邦準備理事会)の利上げ停止とその後の利下げを期待する思惑は性急すぎると感じていたことが理由だが、本稿執筆時点(2023年3月1日)の状況を見る限り、その予想通りの展開になっているように見える。米国のインフレ情勢は全く予断を許さない状況が続いており、これに応じて米金利も思うように下がらず、逆に上がってくるような状況にある。
また、そうした金利情勢だけではなく、需給環境も円安の追い風となっている。言及すべき論点は多いが、象徴的には2023年2月16日公表された日本の1月の貿易赤字がマイナス3兆4966億円と単月としては史上最大を更新したことなどを見れば多くの説明を要さないだろう。その前月(2022年12月)分は2022年通年の赤字が史上最大となったことでヘッドラインを賑わせたが、今回は単月としての史上最大が取りざたされている。
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