現役の企業年金基金の運用担当者である真砂二郎氏が、日々の運用業務で思ったことをつれづれなるままに書いた「真砂二郎の年金運用日記」。今回は、多くの企業年金運用者が関心を寄せる金融情勢についてです。

YCCによって市場機能は失われたのか

企業年金運用に携わるようになってから4年になる。その間政策アセットミックスの見直しを2回行っているが、いずれにおいても国内債券への配分は見送った。外債、外株、オールタナティブを通じての海外資産への運用割合の方が国内資産より上回っている。日本の企業年金として円ベースでの運用割合を一定レベル保てるように願うものの、いまだ国内債券への運用には、金利水準だけでなく市場環境そのものが適しているとは言えないというのが素直な思いである。

日銀による市場との対話という言葉が久しく聞かれなくなった。YCC(イールドカーブ・コントロール)という力技により、市場の動向を見る機能自体が失われたのではないだろうか。そもそも、イールドカーブ・コントロールというのは、市場の金利見通しを無理やりコントロールしようとするものであり、本来の市場との対話を重視するならば、それをコントロールするということ自体がおかしな話である。ましてや、10年物国債金利を一定水準に定めその前後の年限の金利がいびつになったら、その年限の国債購入のための資金を裁定取引が働く金利水準で供給するなど、その最たるものである。

この記事は会員限定です。

会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。
新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。

会員ログイン
新規会員登録(無料)
利用規約

第1条(本規約)

株式会社エディト(以下「当社」とします)は、当社が提供する「J-MONEY Online」(以下「本サイト」とします)について、本サイトを利用するお客様(以下、「会員」とします)が本サイトの機能を利用するにあたり、以下の通り利用規約(以下「本規約」とします)を定めます。

第2条(本規約の範囲)

本規約は本サイトが提供するサービスについて規定したものです。

第3条(会員)

本サイトの会員は、機関投資家や金融機関の役職員、事業会社の経営者・財務担当者、その他金融ビジネスに携わる企業や官公庁、研究機関などの役職員、もしくは専門家のいずれかに該当していることを条件とし、登録の申し込みを行うには、当社が入会を承諾した時点で、本会員規約の内容に同意したものとみなします。なお、申込に際し虚偽の内容がある場合や本規約に違反するおそれがある場合には、当社は会員登録を拒否もしくは抹消することができます。

第4条(ユーザー名とパスワードの管理)

ユーザー名およびパスワードの利用、管理は会員の自己責任において行うものとします。会員は、ユーザー名およびパスワードの第三者への漏洩、利用許諾、貸与、譲渡、名義変更、売買、その他の担保に供するなどの行為をしてはならないものとします。ユーザー名およびパスワードの使用によって生じた損害の責任は、会員が負うものとし、当社は一切の責任を負わないものとします。

第5条(著作権)

本サイトに掲載された情報、写真、その他の著作物は、当社もしくは著作物の著作者または著作権者に帰属するものとします。会員は、当社著作物について複製、転用、公衆送信、譲渡、翻案および翻訳などの著作権、商標権などを侵害する行為を行ってはならないものとします。

第6条(サービス内容の停止・変更)

当社は、一定の予告期間をもって本サイトのサービス停止を行う場合があります。 会員への事前通知、承諾なしに本サイトのサービス内容を変更する場合があります。

第7条(個人情報の取扱い)

当社は、会員の個人情報を別途オンライン上に掲示する「プライバシーポリシー」に基づき、適切に取り扱うものとします。

必須 私は、利用規約およびプライバシーポリシーに同意したうえで、会員登録を申し込みます。

本サイトからのメールは「●●●●●●@j-money.jp」という形式のメールアドレスで送信いたします。メール規制の設定をされている方は、「j-money.jp」のドメインからのメールを受信できるよう設定をお願いします。

必須=必須項目