会員限定
10年国債利回りの均衡水準は0.8%程度か
4月からの日銀新総裁のもとでYCCのさらなる見直しが進む
2022年1月17・18日に開かれた金融政策決定会合で、日本銀行は金融政策の現状維持を決めた。昨年12月の会合で、日本銀行はYCC(イールドカーブ・コントロール)の利回り変動幅を拡大し、長期国債の利回り上昇を容認する措置を突如決めた。これを受けて、金融市場では追加の変動幅拡大の観測が強まっていた。
日本銀行が、共通担保オペの拡充を通じて、長期国債の利回り上昇を強くけん制する姿勢を見せたことで、利回り上昇はいったん収まった形だ。ただし、利回りの上昇傾向が強まり、日本銀行が国債の大量買入れを通じて利回り上昇の抑制を強いられるような状況に再び追い込まれれば、次回3月の会合で、日本銀行が変動幅の再拡大を決める可能性は残されている。
ただし最も可能性が高いのは、2022年4月からの新総裁のもとで、変動幅再拡大、あるいは変動幅撤廃などのYCCのさらなる見直しが進められることだろう。そのため、長期国債利回りには先行き上昇のリスクがある。
しかし、この先、YCCの見直しが進められる中でも、長期国債利回りが大幅に上昇し、経済や金融市場全体に大きな打撃を与える可能性は高くないだろう。
この記事は会員限定です。
会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。