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マクロ経済 企業の価格転嫁に追い風で日本経済は低インフレを脱するだろう
ディスインフレ脱却のチャンス到来
世界的にインフレが進行するなか、日本だけは例外的にCPI(消費者物価指数)が低空飛行を続けてきた。しかしここにきて、エネルギー価格の高騰に円安も加わって、日本のCPI(除く生鮮食品)は消費税率引き上げを除けば2008年のエネルギー価格高騰時以来の前年比2%超えとなっている。
それでも、これはエネルギー価格高騰を反映しただけであり、企業はコスト上昇の製品・サービス価格への転嫁をためらうため、これが剥落すれば、趨勢としてのインフレ率(以下、趨勢インフレ率)は1%にも満たないディスインフレ均衡から抜け出せないとの見方が多く聞かれる。
しかし、今回は、企業が価格転嫁姿勢を強めることで、日本がディスインフレ均衡から抜け出すチャンスと捉え直すことが可能だろう。まず、2022年に高騰したエネルギー価格は、一時的なものではなく今後も高止まりする可能性が高い。ロシアへの燃料依存を減らし、今後脱炭素への動きを強めても、再生エネルギーのコストが日本では高いので高コストの解消は難しい。
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