日本M&Aセンターは2017年5月29日、同社との協業で顕著なM&A実績を残した地方銀行などを顕彰する「第5回“バンクオブザイヤー”表彰式」を都内で開催した。過去最高の45行107名が参加した今回の表彰式の模様を紹介する。

第5回“バンクオブザイヤー”表彰式

2016年度において最大のM&A実績を残した地方銀行などに贈られるバンクオブザイヤーには2年連続で北陸銀行、最も活躍したバンカーに贈られるバンカーオブザイヤーには千葉興業銀行の臼田隆志氏が輝いた。

表彰式の前には、日本M&Aセンター・代表取締役社長の三宅卓氏によるあいさつと、経営共創基盤・代表取締役CEO(最高経営責任者)の冨山和彦氏の講演が行われた。このうち三宅氏は、過去最高の参加があったことへの感謝の言葉に続いて、3月期決算で過去最高益を出し、経常利益100億円という中期経営計画の目標を1年前倒しで達成できそうなこと、米国の大手経済誌『フォーブス』が発表した「世界で最も革新的な成長企業」のランキングで25位に入ったことなど、直近のトピックを報告した。

【講演】地銀は企業のガバナンスに関与を

経営共創基盤 代表取締役CEO 冨山 和彦氏「地域経済を甦らせるための地方銀行の役割」のテーマで講演した冨山氏は、国内GDPや雇用に占める割合から「日本経済の本当の主役はグローバル企業ではなく、中堅・中小企業からなるローカル企業」と指摘。ローカル企業には労働生産性の低さという課題があるが、「M&Aを通じて優秀な経営者のもとに企業を集約させ、労働生産性を向上させていくことも一つの手だ」と語った。

M&Aの成功には企業活動のチェックが欠かせない。しかし、未上場企業が多いローカル企業には上場企業のような株主によるチェック機能が期待できないことから、冨山氏は「ローカル企業と寄り沿いながら、中立的な立場の地方銀行などがガバナンスを効かせることになる。それが日本の労働生産性向上と経済発展につながる」と締めくくった。

バンクオブザイヤー

地域貢献大賞を受賞した7つの提携行のなかから、最大の実績を残した提携行1行を選出する。

株式会社北陸銀行(富山県)

このたびは素晴らしい賞をいただきありがとうございます。北海道から北陸3県、東京、名古屋、大阪と広域で営業展開していることが、M&Aを通してお客様のお役に立てたと考えています。M&Aは雇用や技術、ノウハウの継承につながる社会的意義の高い業務です。当行の営業地域には潜在的なM&Aニーズがまだまだありますので、今後もお客様に寄り添って地域の発展に貢献してまいりたいと思います。