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ゲートキーパー最前線 第5回 CIOのアウトソーシングで年金運用のガバナンスプロセスを改善する
世界的な低金利や投資対象資産の拡大など、年金基金の運用環境は複雑化の一途をたどる。そんな中、機関投資家に対して運用アドバイスやファンドの提案、投資一任契約を結んでポートフォリオ全体あるいは一部の運用を担う専門家「ゲートキーパー」に対するニーズが多様化している。連載「ゲートキーパー最前線」最終回となる第5回では、世界44の国・地域で45年以上にわたりGKサービスを提供してきたマーサーに、GKの上位概念として広まる「OCIO(最高投資責任者のアウトソーシング)」について話を聞いた。
資産全体の指揮をとる「OCIO」はGKの拡張版
提供可能なプロダクトの充実がゲートキーパー(以下、GK)の基本であることは、本連載で何度も触れてきた。その点、グローバルで約3万4000もの運用戦略のデータベースを構築し、200名以上がフルタイムで運用機関の調査に従事する体制を整え、機関投資家向けに運用助言や対象資産の発掘・提供を行っているマーサーは、世界有数のGKと言えるだろう。
元々アクチュアリーファームとして事業を興した同社は、古くから年金制度のコンサルティングなどを行ってきた。それゆえ年金運用への理解も深く、規模の大小を問わず数多くの年金基金が運用上の悩みを相談するという。運用・コンサルティング・リサーチの各機能から顧客が必要とする部分のみ提供するGKサービスも、先進的な基金からノウハウの乏しい基金まで幅広く信頼を寄せる理由の1つだ。
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