米国に拠点を置く運用会社キャピタル・グループと日本法人であるキャピタル・インターナショナルは4月22日、メディア向けセミナーを開催。グループの運用哲学と日本でのビジネス展開を語った。

キャピタル・インターナショナル1931年に米国で創業したキャピタル・グループは、「長期投資」を標ぼうする独立系運用会社である。「株式は非公開、直販を手がけず経営資源を運用業務に集中しているのも長期投資の実践のためだ。グループ最古のミューチュアルファンドの通称『ICA』ファンドは、80年以上の運用実績を持ち、現在もDC(確定拠出年金)などから資金が流入している」(キャピタル・インターナショナル取締役の高村孝氏)。

運用体制では、1つのファンドを投資手法が異なる複数のポートフォリオ・マネジャーが担当する。これにより、多面的なリサーチで有望銘柄を発掘できるほか、運用担当者の独断的決定に伴うリスクを抑制できるとする。日本で販売する『キャピタル日本株式ファンド』では、「グロース系で小型株中心」「バリュー系」「流動性重視で大型株中心」の3人のポートフォリオ・マネジャーが運用している。

日本株の現状について同社インベストメント・スペシャリストの布施亮氏は、「前向きな見通しを持っている」と分析。理由として、①業績から見た株価のバリュエーションは他の先進国と比べて割安水準にある②ROE(自己資本利益率)重視のJPX日経インデックス400が注目を集めるなど、コーポレートガバナンス(企業統治)改善の動きは本物③政府・日銀のリフレ政策は2015年夏以降に企業や家計のインフレマインドを後押しする――を挙げた。

高村氏は、「日本のリテール向けビジネスでは、IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)などと組んで『長期投資のメリット』をさらに多くの個人投資家に広めたい。私的年金の解散が相次いでいる機関投資家向けビジネスでは、公的年金や保険会社などに対してマーケット・インパクトに考慮した運用が可能な点をアピールしていく方針だ」と語った。